「フロアマッピング〜海への誘い〜」。おたる水族館初の試みとしての「夜の水族館」にて、同じく初の試みとして実装したインタラクティブな映像コンテンツ。床面には波打ち際、海面、海中や深海などの様々なシーンが投影され、それぞれのシーンに応じた水中生物たちが出現します。登場するのは全ておたる水族館に生息する生き物たちであり、3DCGを駆使した表現で様々な展開を見せます。
ALBINOシリーズの特徴は、真っ白なシルエットを使って生き物を美しく抽象的に見せること、そして投影される生き物たちを有機的に見せるためのインタラクティブなコンテンツであることが特筆されます。本作においては映像内にトリガーとなる波紋があり、そこに立つと赤外線センサーが反応し、様々なエフェクトが重なっていきます。
足元に広がる映像は「体験」として非常に効果があり、あたかもその映像の中に自身がいるかのような感覚を覚えられるものです。そしてトリガーに反応してランダムに出現する様々な生き物たちが演出する効果は、鑑賞者=体験者と一体となった「風景」を私たちに見せてくれます。人がいない間は単なる映像のループですが、人がそこに加わることで全く違った展開を見せるのがこのシリーズの最大の特徴です。
特に、子供達にとって足元に展開する映像は他の鑑賞物に比べて、最も近くで起こる出来事であり、作品と一体となって遊ぶ姿はとても印象的でした。私たちは美しくクールな映像を作ることを意識していますが、そのテイストのまま作品をエンターテインメントとして成立させることが可能になった、インスタレーションの一つの形を提示することができました。
2017年 北海道映像コンテスト 優秀賞
2017年 全映協グランプリ 優秀賞
2017年 アジアデジタルアート大賞2017 エンターテインメント(産業応用)部門 入賞
監修:株式会社HBCフレックス
制作:N合同会社